865 / 1211
さーちゃん
携帯を握りしめている北斗は涼木の訪室に喜んだ。
「涼木、いいとこきた!」
「え?」
「いま、瀬谷先生呼んだとこ。さーちゃんの興奮がおさまらないから薬がいる。押さえつけるの手伝って」
「分かりました。この間どっちでしたっけ?」
「ちゃんと情報収集してから仕事入ってくれ。右!」
「すみません。さーちゃん!右向けるよ」
「んぁーーゃーっ」
「はいはい、嫌だね?ごめんよっと…足に乗るよ」
ガラっ
「待たせたね。沙和、またやってしまったのかい?ちょっと落ち着く注射を打とう。さぁ、頑張れ」
「んっん゛ーーっっっ」
「よしよし、おしまい。痛かったね。2人ともいいよ。後は面倒みる。針だけ頼むよ」
瀬谷が使用済みの注射器を乗せたバッドを西に渡すと、沙和はすぐさま起きあがり瀬谷に抱きついた
「すみません、お願いします。涼木、行くよ」「あ、はいっ、お願いします」
2人は廊下を歩きながら会話した
「しっかし…対応難しいですよね、彼」
「言葉はしっかり分かってるけど、カタコトぐらいしか喋れないからね。たぶん精神的なものらしいけど…確かにコミュニケーション取りにくい子の対応は難しいな」
「先生、1人で大丈夫ですかね?」
「さーちゃん、先生には心開いてるからね、今から先生にいじってもらってスヤスヤとおねんねタイム入るさ」
「夕食来れるかな…」
「抱っこして連れて行きな。抱っこ好きだから」
「了解です。じゃ、俺ちょっと巡回してきます。おつかれさまでした」
西にあいさつし、涼木は廊下を歩いていった
ともだちにシェアしよう!