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縁 捜索
すっかり遅くなってしまった…
先に帰りますって書き置きはあったが…今頃家で縁、お怒りだろうな。
慌てて佐渡が帰るが違和感があり家の前で立ち止まった。
「電気…ついていないな。まさか…な?」
不安に思いながら玄関を開けると案の定紫藤の靴は無く、佐渡は踵を返した
「どこに行ったっ」
電話を取り出しGPSを起動するが反応がない
「電源、落としてやがるな…縁」
どこだ…
さっきのみぃのケアに腹を立てたのなら歓楽街か?
その前によく散歩に行く公園をみてみるか…
それとも、ひとりでワインを飲みに行ったか?
いや、でも…明日は仕事だからワインは無いか、、
「検討がつかんが…近いところからよく行くところを見にいくか…」
佐渡は家から歩いてすぐの喫茶店へと向かうが姿が無く、ため息をついた
「ふー…なんだろうな、、すねた子どもみたいなことをするとは思えんが…」
佐渡はそこからさらに数分の公園へと向かった。
すると、入り口からすぐ見えるブランコに紫藤が座っていて佐渡は呆然とした。
「な?見つけてくださいって言っているようなものだぞ、あれ。なんて分かりやすいところに…」
佐渡は砂をザクザクと踏み鳴らし公園の奥へと進み、紫藤のいるブランコの柵の前へと立った
「縁…帰ろう?」
紫藤は佐渡を見上げ、首を横に振った
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