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ご機嫌なうたくん 2

おしりが痛くないって… 「あー…そういうことか!打ってから何日か経ったもんな?でも、また数日後にホルモン注射打つんだろ?」 「う…思い出せないでよ、たいが」 「あ、ごめんごめん」 「なるべく、入院中楽しく過ごそうとしているんだから」 「偉いな、うた」 涼木はわしゃっとうたの頭を鷲掴み、撫でるとうたに笑いかけた さーちゃんには癒されたけど、うたといると元気になるな。 夜勤は嫌いだけど、こういう時間は好きだ 「たいがぁっ!はいっ」 「ん?」 うたが満面の笑みを浮かべて両手を広げると涼木は苦笑を浮かべ 「はいはい、運べってことな?」 うたを抱きかかえた。 「出発〜っ」 「よし、行くぞ」 食堂に付くと、沙和を挟んで周防と真尾が席に付いていてうたに手を振っていた 「うたくん、こんばんは」 「抱っこで来たん?よかったなぁ」 〝さーもしてもらった〝 ホワイトボードに書いた文字を周防と真尾に見せると、真尾は沙和の頭を優しく撫で 「よかったですね、さーちゃん」 「さーちゃんもたいがに抱っこしてもらったんだ?」 「ん!」 「抱かれ心地いいよね、大雅の腕の中」 「んっ」 「盛り上がってるところ悪いけど、うたぁ?そろそろおろすぞ」 「ありがと、たいが」 「うたは、どこに座るんだ?」 「師長さんの隣」 「師長、もてもてやん」 「ですね」 和気あいあいモードの4人を見て、この数時間の嫌なこと全て忘れて涼木は微笑み 「じゃあ俺、お茶用意しますね!」 キッチンへと向かった

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