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和気あいあいな時間

「さーちゃん、ほらほらお口からシチューがこぼれてますよ」 すかさず宵が沙和の口を拭くと、沙和ははにかみ笑いペロっと舌を出した 「さーちゃん、ちゃめっ気たっぷりやなぁ」 「あー…もう…また!ほら、スプーン貸して」 沙和からスプーンを奪うと宵は沙和にシチューを口まで運んだ 「はい、さーちゃん、あーん」 「師長、普段甘やかしたらあかん〜って言いつつ、甘やかしとるやん?」 「僕も食べるの上手じゃないですけど、こぼれてばかりだとちゃんと食べられません。さーちゃんは僕と違ってまだ成長途中だからちゃんと食べないと!」 「俺もおかんみたい言われるけど、師長もおかんみたいやなぁ。そう思わん?うた」 「見てて微笑ましい光景だからいいと思う」 「まぁ、そうやなぁ。って…自分、それパンでかすぎや!もうちょい、小さくちぎりぃ?つまるで!」 「うー…本当にお母さんみたい。分かった。これくらい?」 うたはさらに半分にパンをちぎると周防に見せ 「せやな。誰も取らへんからゆっくり食べるんやで?」 「うん!」 「はい、さーちゃん。次、にんじんさーん。あ、涼木。他の仕事してもいいですよ?一応入院中ですけど、僕らがいるので」 「え…あ、いいんですか?」 「いいよ、行っておいで」 「じゃあ、リカバリー行ってきます。ありがとうございます」 「涼木くん、とりあえずお疲れな〜」 「先輩も助かります。お願いします」 涼木は2人に礼を言うと他の仕事をしにいった

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