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院内感染?

「千歌ぁ、バイタルとるぞ?って…なんか…やたらと体、熱いな。熱、あがった?千歌、大丈夫か?」 「い…痛い…寒い」 「千歌、どこが痛む?」 「ぜんぶ…ごほ…ごほ…っ」 これ、まずいやつかも…一応、マスクしておくか… 涼木は救急カートから出したマスクを付けて千歌の検温を続け 脱走事件後から出てる未羽の熱…インフルじゃないよな? まだ時期が早いようにも思うけど、、 40度近かったし… もしインフルエンザで…しかも、 俺たち職員が感染してたらかなり少年棟がまずい状況に… だとしたら、祖父江先生を小児科に行かせないようにしないと…行く末はパンデミックだ ピピピー… 「マジか…9度4分」 慌てて涼木が瀬谷を呼びに行こうとリカバリーから出ようとすると千歌が涼木の白衣の裾を掴んで泣き出し 「ぅえ〜ん…痛いっ痛いぃ」 「あー千歌。泣く?俺に対して甘えるとかなかった子なのに甘えモードに…」 涼木は呼びに行くのを諦め、電話をかけ 「こんばんは、夜勤看護師涼木です。千歌が熱発していて…」 〝泣いているね〝 「ですね。全身痛いみたいで…まだ早い時期ですけどインフルエンザの可能性ってあります?」 〝否定できんな。未羽の熱は?〝 「千歌に服を掴まれて再検がまだなんですけど、日勤最終が8度ジャストでした。それと別件で、祖父江先生がもし拾ったとするとまずい事態に…」 〝それは…考えたくない事態だがありえるね。とにかくまずは千歌と未羽を調べよう。祖父江にだけは先に連絡をしておくが他はその後に。すぐ行く〝 電話が終わると涼木は泣く千歌を抱きしめ、千歌の腰元を撫でて瀬谷の到着を待った。

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