899 / 1216
院内感染?
「千歌ぁ、バイタルとるぞ?って…なんか…やたらと体、熱いな。熱、あがった?千歌、大丈夫か?」
「い…痛い…寒い」
「千歌、どこが痛む?」
「ぜんぶ…ごほ…ごほ…っ」
これ、まずいやつかも…一応、マスクしておくか…
涼木は救急カートから出したマスクを付けて千歌の検温を続け
脱走事件後から出てる未羽の熱…インフルじゃないよな?
まだ時期が早いようにも思うけど、、
40度近かったし…
もしインフルエンザで…しかも、
俺たち職員が感染してたらかなり少年棟がまずい状況に…
だとしたら、祖父江先生を小児科に行かせないようにしないと…行く末はパンデミックだ
ピピピー…
「マジか…9度4分」
慌てて涼木が瀬谷を呼びに行こうとリカバリーから出ようとすると千歌が涼木の白衣の裾を掴んで泣き出し
「ぅえ〜ん…痛いっ痛いぃ」
「あー千歌。泣く?俺に対して甘えるとかなかった子なのに甘えモードに…」
涼木は呼びに行くのを諦め、電話をかけ
「こんばんは、夜勤看護師涼木です。千歌が熱発していて…」
〝泣いているね〝
「ですね。全身痛いみたいで…まだ早い時期ですけどインフルエンザの可能性ってあります?」
〝否定できんな。未羽の熱は?〝
「千歌に服を掴まれて再検がまだなんですけど、日勤最終が8度ジャストでした。それと別件で、祖父江先生がもし拾ったとするとまずい事態に…」
〝それは…考えたくない事態だがありえるね。とにかくまずは千歌と未羽を調べよう。祖父江にだけは先に連絡をしておくが他はその後に。すぐ行く〝
電話が終わると涼木は泣く千歌を抱きしめ、千歌の腰元を撫でて瀬谷の到着を待った。
ともだちにシェアしよう!