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雅宗、Mの習性
涼木が検査をする覚悟を決めたころ、逃げる雅宗をステーションへと追い込んだ宵は叫んだ。
「こらっまーさむねーっいい加減あきらめて待ちなさーい!」
「ひ〜っな、なんやねん…っ。なんでこないに追いかけ慣れとん」
「さぁ、雅宗?もうステーションです。逃げられませんよ?」
「嫌や」
「はぁ…はぁっ、この期に及んでまだ拒否するんですか!」
「するっ…ふーっふー」
息を切らしながら2人は睨みあった
「あきらめが悪いですね、まったく」
「そっちかて、どこまでいっても追いかけてくるやん!」
「追いかけるのは得意ですから。先生方!この子追い込んだのでよろしくお願いします」
「よくやった、宵。雅宗は後でお仕置きだ」
「うん、やるね、宵くん」
「さすが師長さん。涼木が終わったらそっちへ行きます」
「来んでええって!お仕置きもいらんでっ。だいたいじっと待ってるわけないやろっ」
「どうします?こいつ」
「涼木は後に回して雅宗を先に片付けるか」
「だね。賛成だ」
「雅宗、処置ベッドに来い」
「なんでベッドやねん」
「椅子に座って安全にやれるとは思えない。幼児と同じやり方でいく」
「幼児って…なんか今、むってしたで!俺、成人してんねんけどっ」
「成人した大人が脱走するわけないだろ、まったく。ほら、さっさと寝ろ」
「うー…」
あかんわ。実継さんに命令されるとなんや、逆らえんわ
雅宗はのそのそと処置ベッドにあがった
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