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涼木、鼻血

周防が半強制的に検査をされているのを見て涼木は顔を引きつらせた あんなの見た後でやられるって… かなりゲンナリだ、、 「さて、涼木」 「は、はい!」 「きみはどうやってやる?」 「へ?」 「見てたろ?雅宗のように幼児スタイルで行くか」 「僕が後ろから羽交い締めしてもいいですよ?」 「は?師長がですか?」 「小児科時代は羽交い締めで検査をよくしたものです」 「え?どのみち幼児スタイルなんですか?」 「んーと年長から小学校低学年ってところでしょうか?」 「ははっ、宵くんからしたらそのように涼木が見えるということかい?」 「はい、臥床まではしなくていいでしょうけど、頭を支えるだけでは少し不安ですね。佐渡先生は控えててもらって…」 「分かりました」 「じゃあ、やるよ」 「はい。涼木、僕の胸に後頭部つけてください」 「は、はい」 「失礼します」 宵は涼木の両脇に手を通し、ガッチリと涼木をホールドした。 なっなー!? 師長ってこんな力あるのかよっ 「どうしました?」 「何か習ってました?師長」 「護身術と空手を少々」 「は?初耳ですけど…」 「でしたっけ?見た目で判断すると痛い目見ますよー。後、消灯後の約束、忘れないでくださいね?」 「なんの約束だい?」 「内緒ですー」 「内緒か。宵くんらしいな。ほら、涼木。まずは右ー」 「っい゛!…ちょ…いた…っ痛いです!ギブっギブアップ!」 「はい、今度は反対側」 「い゛〜っ」 「あーっ佐渡先生頭押さえてください!」 「こらっ涼木動くなっ」 「っ〜…うーっ」 「あらら…鼻血だね。涼木、大丈夫かい?」 「大丈夫じゃないでふ」 「とりあえず検体は採れたから佐渡、試験薬を頼むよ」 「はい、じゃあ預かります」 「涼木、下を向いて鼻を押さえていられるね」 「了解れす」 「宵くん、検査いいかい?」 「あー…やっぱり僕もですか?」 「宵さん、手ぇ握ったるで。な?実継さん」 「ああ」 雅宗と実継は宵の両手をそれぞれ握って待機した

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