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突然、内服介助の指導

しかし、師長があそこまで甘えん坊だとは… しかも、薬は甘いのを指定… まさかとは思うし、失礼だとは思うけど精神年齢が幼かったり? 謎だ。 とにかく、面倒なことにならないうちにさっさと飲んでもらって寝てもらおう 部屋へと戻ると涼木はすぐに宵に薬を差し出し 「はい、師長。ブロチゾラム。口の中に入れれば溶けるからどうぞ」 「…ぅ…ふ…ぇっ…実継さん…っ」 「え?嘘…泣いてたんですか?師長」 「宵…。いま、師長じゃないです。患者さんです。優しくしてください」 「えと…とりあえず飲みましょう?ほら、これ薬です」 「そんなのは見れば分かります。まさか患者さんにも手渡しで?」 「え?ダメですか?」 な、内服介助の指導?こんな突然に…? 「ここの子たちはダメだよ!飲んだふりする子だっているんだからっ。あーんってして口に入れて、その子の状態によっては最後ちゃんと飲めているかもう1度口を開けさせて確認しなきゃ」 「す、すみません。えと、じゃあ…口…いいですか?」 やばい…めちゃ、お怒りな顔だし、、 「いやっ!!…って言ったらどうするの?」 「え…」 「え、じゃないです。素直にはーいって言う子ばかりじゃないですよ?自然にあーんってしなきゃ」 「…ですか…。ちょっと気まずいですけど、宵さんあーん」 「あーん」 涼木は開けられた宵の口に薬を放り、宵は口を動かして薬を舐めると飲み込み 「んく…」 「飲めました?」 ふぅ…ちょい面倒な感じになったけど終わった! と、思ったのに師長はまだ止まらなかった 「うん、飲めました。あーんして確認は?」 「え、するんですか?」 「さっき説明しました!」 「えと…師長さん、要観察的な状態なんですか?」 「です。師長じゃないですから。今いるのはホームシックの患者さん、宵ですよ」 「えー…はい。じゃあ見せて…じゃなく、はい、宵さんあーんして?」 「あーん」 「飲めましたね、うん」 今度こそ終わったぁ!後、寝てくれるのを待つだけだ 涼木は内心ガッツポーズだったが宵の要求はまだ続いた

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