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理央看護師参上

「あっ来た!ステーションに誰もいないからドキドキしちゃった」 小さな体つきにぱっちりとした二重まぶたが印象的な男性看護師が3人の登場に喜び、駆け寄ってきた。 「誰?…南、知ってるか?」 「んー…分からないな」 「理央っ!なんでここにいるんだい?」 「応援だよ」 「理央はいい。仕事がやりにくいから心療内科に戻ってくれるかい?」 「やだ!すーさんっ。少年棟ピンチなんだよ?ボク、すーさんの助けになりたい」 「せ、先生?すーさんって…先生の知っている看護師?」 東間は不思議そうに2人のやりとりを見て尋ね 「心療内科所属の瀬谷理央です」 「瀬谷って…言ったよな?いま、南」 「言ったね」 「親戚?」 「一緒に暮らしている子だ」 「って言うと…奥さんとお子さんとその彼の4人で生活を?」 「いや…実を言うと去年離婚してね、彼とはその後すぐから一緒に子育てをしている」 「えと…つまり、そういうご関係で?」 「その通りだ」 「マジか…。この病棟…同性愛者だらけじゃん」 「悪いことかい?ここでの勤務は男の子が好きじゃないときついよ」 「い、いや…悪いことじゃ…てか、驚くだろうけど俺らもそうだし…」 「2人はいつも一緒にいるからね、そう聞いても驚かないかな」 「で、でも…先生、結婚されましたよね?」 「俺は両性愛者だからね。好きになれば性別は問わない」 「みんな、びっくりするぞ」 「そうなんだよ。だから理央、戻りなさい」 「嫌です」 「理ー央っ」 「ぼくのいない時にお客さん家にあげたりするし、すーさんのいじわる!」 「それは…まだ伝えていないから驚かれるだろう?相手に」 「理央は隠さなきゃいけない存在なの?」 「いや、タイミングが…話は家に帰ってから聞く」 「子ども扱いしてちゃんと聞いてくれないもん。ボク、もう40歳だよ?」 「40!?見た目若っ」 2人は理央の年齢と見た目のギャップに驚き、理央を見つめた

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