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瀬谷理央
「瀬谷先生とは約ひとまわり違うのか…なんかいろいろ驚き」
「出会いは?この病院ですか?先生」
「そう。それと、友人の同居人なのが判明してね。ちょくちょく会ううちにお互い惹かれて友人が身を引いてくれた」
「マジか…友人、いいやつ」
「違っ!めいさんは最初からボクのことは手放す気でいたからっ。ボクに好きな人ができるまでって」
「え…ちょっと待って?めいってどっかで?」
「昨日の朝だよ!師長の兄貴」
「…頭が混乱してきたんだけど…北斗」
「俺も」
「師長さんのお兄さんがそのめいさんとか言わないよね?」
「言います…」
「2人のことって師長…あー、祖父江先生もだけど知ってんの?」
「その2人は知っているよ。家族ぐるみの付き合いだ」
「子どもは何も言わないの?」
「あの子はまだ5歳なのに大人びていてね。状況を察しているようだ」
「お母さん側についていかなかったんですね」
「紫苑が決めた。まあ、クレーンゲームの景品だらけの家にちょっと文句を言い出していたころだったからたいして揉めずに離婚が成立してね。彼女はまだ若いから独り身の方が再婚しやすいし…という話になって親権は俺だ」
「それよりなによりお父さん子だからだよね?すーさん。紫苑っていう名前で可愛いの。りおくんってボクにも懐いてくれてすごくいい子。ね?」
理央は幸せそうに微笑み、瀬谷の白衣の裾を摘み2回引っ張った
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