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わがまま宵さん

開口一番怒り出す西に東間は両手をあげて違うことをアピールし 「違う。断じて違う。祖父江先生が来なくてご機嫌ななめなんだよ、この人」 「この人じゃないです!宵っ、僕には宵って名前がありますっ」 「あ?何?パートナーが会いに来なくてグズってんの?」 「そう。仕事中だから仕方ないんだけどね。熱が9度あるもんだからちょっとわがままになってるみたい。ね?よーちゃん」 「ん」 「よ、よーちゃん?」 「宵だからよーちゃん。病棟全滅なのも耳に入らなかったし、しんどいんだね」 「なのに、オナニー?」 「体調悪いから余計にしたいんじゃない?違う?よーちゃん」 「ううん。違わない。帰っていいですか?」 「だめです」 「む」 「ご機嫌悪っ!っあ、そうだおしぼりっ冷めちゃう」 「そうだね。体拭かなきゃ。よーちゃん、拭きますよ」 「いいっ拭かなくていいです!」 「だめだって!自分がこっちの立場なら拭くだろ!」 「やーっです!」 怒った宵が足を出そうとすると扉が開き 「宵っ!待ーーった」 今まさに西を蹴ろうとしている宵の姿を見た実継が慌てて走り、宵の足を止めた

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