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情緒不安定なよーちゃん
蹴ろうとしていた足を掴まれて一瞬、宵はむっと怒った表情を浮かべるが実継の姿を見、涙を流しながら実継に飛びつき
「あーん…実継さんっ」
「こらっ!宵。なんでおまえはすぐ足を出すんだ」
「だって…」
「祖父江先生!あの、うーちゃんは?」
「今は気分も落ち着いて自分の部屋で大人しくパズルをして遊んでる。で、ここに来たんだが…おいたしているようだな?宵」
「実継さんが悪い!」
「時間で来なかったからか?だからって後輩を蹴ろうとするな」
「だって…」
「あーっと、先生。もうそれは大丈夫です。俺も口が悪かったし…。それより師長ったら入院中なのにオナニーしてたんですよ、そのバイブで」
「ん?あー…これは犯人、俺だ」
「へ?」
「え?」
「大人しく待ってられないようだからおもちゃをな…これ、自分で抜いたのか?宵」
「東間が!遊んでたのに抜いちゃったんです」
「いやいや、普通に抜くでしょ?よーちゃん、あなた入院中です」
「よーちゃん?よーちゃんか…なかなか可愛い響きだな。宵」
「はじめて呼ばれました。変な気分です」
「どっちが先輩だか分からんな?よーちゃん」
「実継さんまでよーちゃんって言う!知らないですっ3人とも嫌い」
「はいはい。よーちゃんじゃなくて宵な?分かったから怒るな」
「怒るっ。体痛いし、しんどいし…帰りたいです!」
「あー…また帰りたいと来たか…。情緒不安定だし…こうなると宵は手がつけられなくてな。ここまでわがままにさした犯人は俺だが…すまんな2人とも」
「いえいえ、熱が言わせてることですし」
「師長の帰宅要求?だかなんだか分かんないけど…ご機嫌悪いのは俺ら気にしてないんで大丈夫です。それより、体拭き変わりにいいです?先生」
「分かった。宵、いいな?」
「うん」
「部外者の俺が言うのもなんだが…とりあえず今日は明けで奈南もいないし2人で師長代理を頼むな」
「分かりました。先生、1件報告で師長さんの熱が…」
「あー、まだ熱いな。坐薬を挿したんだがあまり効いてないな。どう対処するかはまた瀬谷と相談するからいい」
「瀬谷先生!あ、そうだ。それで思い出したけど南、由宇くん臣くんどうするか瀬谷先生に聞きに行こうぜ」
「だね。午前中のうちに大変な業務は済ませちゃおうか。じゃあ、自分たちはこれで失礼します」
2人は軽く頭を下げて宵の部屋から退室し、瀬谷の元へと向かった。
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