991 / 1216
悪い子どーこだ
ジリジリと近づいてくる麻弥に未羽はおろおろし
「や…っ…や〜っ…来ないでっ!どっか行け」
未羽は両手を前に出して麻弥が近づけれないようにしたが、麻弥はその手をかわして
未羽の両頬をそれぞれ親指と人差し指で摘み
「ふぇっ」
「悪いことを言うお口はこのお口かなぁ?」
「あう〜っ…いひゃい…」
「しゅ、シュガー先生…っ初対面の子にそんなことしちゃっ」
理央が慌てると、麻弥はニッコリ微笑み
「この子のせいで少年棟がピンチなのに?」
「え…そ、それは〜…この子だって広めようと思って広めたわけじゃ…っ」
「そもそもが診察と治療拒否して脱走したからでしょ?それでも反省しないでまだ診察いや〜って言っているんだよ?そんな悪い子はどこだ〜?この子だ!めっっ」
ピンっと未羽の頬を引っ張り麻弥は指を離し
「いっひゃ〜っい」
「先生〜っそんな対応したら…っ」
「ふぇーんっ!こわーいっっ」
「あ〜…やっぱり。泣いちゃった。ここの子たちは年齢よりかーなり幼いらしいですからもっと優しくしてあげないと…。ごめんね?みぃちゃん」
「看護師さん…っこのお医者さん、誰?」
「シュガー…佐東麻弥先生です。心療内科の」
「甘くないよ…?なんでシュガー?」
「きみのせい。ぼくはいい子にはちゃんと甘々対応しています」
「本当?」
「本当です」
「本当に?」
「みぃちゃん本当だよ。ボクが保証する」
理央の言葉に未羽はようやく信用し頷いた。
ともだちにシェアしよう!