993 / 1216
マイペースな麻弥せんせ
両手を広げた麻弥だったが、ふと疑問に思い
「ん?待って。抱っこって普通にぎゅーって前からハグでいいの?それとも先生が後ろから抱っこしてやればいいからの?」
「後ろから抱っこはヤっ」
「ヤ、なの?」
「佐渡先生がそうやってやってブスってして、痛かった!」
「そっかそっか佐渡先生には後でめってしておくね?」
「うん」
「じゃか、みぃちゃん気を取り直して…ハグー」
「せ、先生、あの〜点滴を先に繋いでもらっても?」
「点滴?理央ちゃんやっていいよ?ぼく、この子で遊ぶから」
「せ、先生〜。点滴繋ぐの代わるのはいいんだけど、この子で遊ぶはダメです!この子と、ならいいけど」
「はいはい。みぃちゃん、一緒におしりトントンして遊ぼうね?」
「そ、それ…遊び、かな?」
「そうだよ?ほら、ぎゅってくっついて。ナカ、トントンしたら気持ちいいよ」
「う、うん」
変な先生と思いながら未羽はベッドの上に膝立ち、ベッドの横に立つ麻弥に抱きついた。
「んーっ可愛い。甘い香りするね?みぃちゃん」
「え…ぼく、飴舐めてないよ?佐久間先生いないからもらってない」
「糖尿病なのに飴舐めてるの?」
「えと…ご褒美ってたまにくれる。低血糖予防って…」
「あー…低血糖で倒れてたエピソード書いてあったや、カルテに。そういうこと。飴欲しい?」
「う、うん」
「よし、頑張ったらあげる。ボク、持ってるから」
「え…あ、ありがとう」
「何味がいい?」
「佐久間先生はいつもいちご」
「いちごは持ってないなぁ。ぶどうでいーい?」
「うん」
「ズボンもうちょいおろしちゃおうか?」
「恥ずかしい…」
「おしり丸出しの方がやりやすいから我慢」
「う、はい」
「あー、でも。理央ちゃーん。潤滑ゼリーってそこの救急カートに入ってるかな?持ってきて?何もつけずにはさすがに挿れられないや」
麻弥に声をかけられて、点滴を繋ごうと支度をしていた理央は手を止めた
ともだちにシェアしよう!