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マイペースな麻弥せんせ

両手を広げた麻弥だったが、ふと疑問に思い 「ん?待って。抱っこって普通にぎゅーって前からハグでいいの?それとも先生が後ろから抱っこしてやればいいからの?」 「後ろから抱っこはヤっ」 「ヤ、なの?」 「佐渡先生がそうやってやってブスってして、痛かった!」 「そっかそっか佐渡先生には後でめってしておくね?」 「うん」 「じゃか、みぃちゃん気を取り直して…ハグー」 「せ、先生、あの〜点滴を先に繋いでもらっても?」 「点滴?理央ちゃんやっていいよ?ぼく、この子で遊ぶから」 「せ、先生〜。点滴繋ぐの代わるのはいいんだけど、この子で遊ぶはダメです!この子と、ならいいけど」 「はいはい。みぃちゃん、一緒におしりトントンして遊ぼうね?」 「そ、それ…遊び、かな?」 「そうだよ?ほら、ぎゅってくっついて。ナカ、トントンしたら気持ちいいよ」 「う、うん」 変な先生と思いながら未羽はベッドの上に膝立ち、ベッドの横に立つ麻弥に抱きついた。 「んーっ可愛い。甘い香りするね?みぃちゃん」 「え…ぼく、飴舐めてないよ?佐久間先生いないからもらってない」 「糖尿病なのに飴舐めてるの?」 「えと…ご褒美ってたまにくれる。低血糖予防って…」 「あー…低血糖で倒れてたエピソード書いてあったや、カルテに。そういうこと。飴欲しい?」 「う、うん」 「よし、頑張ったらあげる。ボク、持ってるから」 「え…あ、ありがとう」 「何味がいい?」 「佐久間先生はいつもいちご」 「いちごは持ってないなぁ。ぶどうでいーい?」 「うん」 「ズボンもうちょいおろしちゃおうか?」 「恥ずかしい…」 「おしり丸出しの方がやりやすいから我慢」 「う、はい」 「あー、でも。理央ちゃーん。潤滑ゼリーってそこの救急カートに入ってるかな?持ってきて?何もつけずにはさすがに挿れられないや」 麻弥に声をかけられて、点滴を繋ごうと支度をしていた理央は手を止めた

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