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臣もお手伝い
「なんね?なんでそんなに驚くと?由宇」
「いや…一緒に働く日が来るなんて思わなかったし」
「遊び相手とかお話し相手くらいならできるとよ。でもみんなお熱が出とるとやろ?」
「いや、まだ沙和とうたは発熱していない」
「それなら、お相手すると」
「じゃあうたを頼むかな。いいかい?」
「うた?」
「そう、中岡うた。1度カルテに目を通すといい」
「了解したと」
「お…臣、手伝ってくれるのはありがたいけど…つまり…その…鼻綿棒されるよ?いいの?」
「瀬谷先生、経管栄養のチューブより痛くなかよね?」
「ん?そうだね。臣の言うようにマーゲンの方が太さも長さも段違いだからね」
「なら、平気ばい」
「そうか。由宇も臣も検査となると大変かと思ったが、臣の場合はマーゲン経験があったね」
「で、でも…痛いのは変わんないじゃん」
「由宇はビビりやね?」
「だって。痛いのは…ちょっと」
「検査やけん、仕方なかよ?」
「分かった。頑張る。検査ん時、手握ってくれる?」
「握るとよ。なんならバックハグしてあげると」
「さんきゅ」
由宇と臣が笑いあうと麻弥は扉を指差し
「じゃあ、そうと決まったら行こう」
「え、ちょ…待って。俺のこの、ぶらさげてるチューブ類は?」
「何を言ってる?由宇」
「外してくんないの?」
「外さないよ。そのまま」
「なっっ。邪魔じゃん!てか、恥ずっ。みぃにどう説明すんの?!」
「聞かれたら泌尿器科に入院中とでも言えばいいんじゃないかい?間違いではないだろ」
「なんか嘘つくみたいでやだけどそうする。知られたくないし」
一行は部屋から出てステーションへと向かった
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