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グリグリ先生
「うたくん、えらかね。オレはそんなに聞き分けいい子じゃなかったけん、尊敬する」
「そうなの?」
「うん。入院中ヒマやけん、日々いたずらの研究ばしとったと。お仕置きされるけんやめとけばよかったって毎回後悔するっちゃけんけど、やめられんとよ」
「ちなみに何したの?」
「点滴引っこ抜くフリとか?」
「えぇ…っそんなこと…」
「みんながワーって駆け寄るけん、おもしろかよ」
「悪い子…おしり叩かれるよ?」
「叩かれるくらいならよかよね?おしりに指挿れてぐりぐりされるほうのがつらかよ」
「ぐりぐり…慣らさずに?」
「そ」
「それは…こわい…っ」
「大丈夫、大丈夫。もう、その先生はおらんけんね。小児科に異動ばしたから」
コンコンー
「?。誰やろね」
「入るぞ」
「げ」
「げ、とはなんだ、げとは」
「祖父江先生…なんばしにきよったと?」
「だぁれ?」
「さっき話したグリグリの先生ばい」
「や、やだーっ!怖いぃ。たいがーっ」
「いや、大雅はおらんけんね」
「いったいどうしたんだ」
「オレが患者だった時にイタズラばしたらおしりのナカグリグリされるお仕置きされたっち話したら、怖がらせちゃったとよ」
「おーみぃっ」
「きゃーっ、怖かっ」
「初対面の子にさすがの俺もグリグリはしない。インフルエンザ治療の点滴だ。やりにきたのは」
「え……っ。注射するの……」
うたはじわっと涙を浮かべ、顔をひきつらせた
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