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うたくん いい子
「注射嫌いか?悪いな。30分もしないで終わるから頑張ろうな」
「いやだ。熱、無いよ」
「でも、陽性だから。これから出てくるかもしれない。熱が高くでたらおしりに薬を挿さないといけなくなる。嫌いな子の方が多いがそれは平気か?」
「それって坐薬?好きじゃない…」
「うたくん、大丈夫。先生、きわどかとこに刺して痛かときもあったけど、上手やけん」
「臣、前半が余分だ」
「だって、足とか変なとこに刺すばい!」
「足ぃ?!いやっ」
「やらないやらない。じっとできるなら肘の内側。そこがいちばん痛くないし、太いから一発で入る」
「分かった。じっとする」
「よし、えらい」
実継は、点滴の支度をはじめ
「臣、俺の足元に来てこの子の手を押さえてて」
「うん」
「大丈夫だろうが刺した反動で驚いて手が動くといけないからこのおにーさんが手を握っているからな?」
「がんばれ、うたくん」
「痛い?」
「一瞬な?暴れるなよ?間違えたくない」
「う、うん…ね、沙和は?沙和もやった?」
「さわ…。隣の部屋の子だな。その子は瀬谷先生がやりにいってる。気になるか?」
「うん」
「大丈夫だ」
〝きゃーーーっっ〝
「沙和の声だ。やっぱりめちゃくちゃ嫌がってる」
「あんなに声、出るんだな?」
「??いやなことされたら大声にもなるとやろ?何を驚いてると?」
「話せないって聞いてる」
「それはすごかね」
騒がしい隣に3人は驚いた。
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