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久々佐久間先生

沙和を観察室に入れていてステーションに人気が無いころ、由宇は未羽に会いにきていた。 「みぃ、起きてる?」 「え…うそ…佐久間先生…?」 「どうしたよ?泣きそうな顔してんじゃん」 「だって…だって。なんで…点滴してんの?」 「あー…まあ、ちょっとな。座らせて」 由宇は面会用の椅子に座り未羽と目線を合わせ、未羽は心配そうに由宇の顔をのぞきこみ 「大丈夫?」 「大丈夫大丈夫。心配してくれんの?みぃ」 「うん。その黄色い液体の袋って千歌のとおんなじ?」 「千歌の?」 チラッと千歌の方をのぞくと佐渡と千歌が由宇に手を振っていて由宇は手を振り返し 「そうだな、おんなじ。おしっこだよ」 「それってさ…どうなってんの?千歌、めちゃくちゃ泣いてたんだよね、それ付ける時」 「そりゃそうだろうな。おしっこの孔に管が入ってんの」 「いっ…痛そう…」 「痛いよ」 「なんでそんなことに…」 「いろいろあんだよ。それよりみぃは大丈夫か?熱」 「大丈夫くない。坐薬ばっかりされるから泣いちゃう」 「そっかそっか、辛いな」 「先生がいい」 「ん?」 「今日来た先生…こわい」 「今日来た…って佐東先生?なんで?甘々優しくてシュガーなんて呼ばれてんだよ?あの先生」 「ぼくには違ったもん。あれ…」 未羽はシンクを指差し、未羽の差す場所にいちごの形の物体があり由宇は首を傾げ 「何あれ…」 「いちごちゃん…」 「いちごちゃん?」 「ろーたぁだって」 「ぶふっ。ローター仕込まれたのか?!」 「…だよ。こわかった…!!」 「そりゃそうだ。おもちゃ使われたらビビるよな?俺も道具は好きじゃない。頑張ったな」 「ふぇ…っしゃくましぇんしぇ…」 「舌足らずになってんよ?どうした?」 「帰ってきてー。えーん。先生じゃなきゃやーっ」 「あんがとな?」 由宇は手を伸ばし涙を流す未羽の頭を撫でた

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