1020 / 1216

宵さん ダウン

宵の部屋へと入るとあやしい息遣いが聞こえ、実継は頭を掻いた 「やっぱり待てれてないか…?」 「はぁ…はぁ…っ」 「宵」 そっと布団をまくるとくまにすがりついて苦しんでいる宵がいて、実継は宵の額に手を置き 「熱い…宵、大丈夫か?」 「痛い…体」 「熱、測るぞ」 「…ん…」 ピピピー 「39.0度ちょうどか…つらいな。あやしい息遣いをしているから俺はてっきり…」 「ごほ…ごほ…っ…つらいです。実継さん…ひどい…っ僕は性欲魔人じゃ」 「すまんすまん、それより6時間経つな…宵」 「や…っ6時間って…坐薬?坐薬しない。ムラムラしちゃってもこんだけつらいと…できない…だから、やだ」 「おしりに注射するか?」 「まだ…そっちのがいい……」 「分かった。用意する」 「ま、待って。連絡をとってほしい子がいるの」 「連絡?奈南か?」 「詩乃も連絡ついてないけど…違う。患者さん。ひなくん…深澄日向(みすみひなた)っていう子が今、外泊中で…」 「いつ帰ってくる?」 「あした」 「まずいな。落ち着くまで延泊してもらわないと…」 「対応お願いします。ただ明々後日にその子、ホルモン注射予定で…」 「ホルモン注射って紫藤もダウンしてるぞ」 「そうなんですか?」 「ほぼ全滅してる。無事なやつを数えたほうが早いくらいだ」 「どうしましょう…」 「俺がやるからいい。紫藤が入局する前はほとんど俺がやっていたから」 「お願いします」 実継は連絡と宵の注射の用意のためにステーションへと帰った

ともだちにシェアしよう!