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宵さん ダウン
宵の部屋へと入るとあやしい息遣いが聞こえ、実継は頭を掻いた
「やっぱり待てれてないか…?」
「はぁ…はぁ…っ」
「宵」
そっと布団をまくるとくまにすがりついて苦しんでいる宵がいて、実継は宵の額に手を置き
「熱い…宵、大丈夫か?」
「痛い…体」
「熱、測るぞ」
「…ん…」
ピピピー
「39.0度ちょうどか…つらいな。あやしい息遣いをしているから俺はてっきり…」
「ごほ…ごほ…っ…つらいです。実継さん…ひどい…っ僕は性欲魔人じゃ」
「すまんすまん、それより6時間経つな…宵」
「や…っ6時間って…坐薬?坐薬しない。ムラムラしちゃってもこんだけつらいと…できない…だから、やだ」
「おしりに注射するか?」
「まだ…そっちのがいい……」
「分かった。用意する」
「ま、待って。連絡をとってほしい子がいるの」
「連絡?奈南か?」
「詩乃も連絡ついてないけど…違う。患者さん。ひなくん…深澄日向 っていう子が今、外泊中で…」
「いつ帰ってくる?」
「あした」
「まずいな。落ち着くまで延泊してもらわないと…」
「対応お願いします。ただ明々後日にその子、ホルモン注射予定で…」
「ホルモン注射って紫藤もダウンしてるぞ」
「そうなんですか?」
「ほぼ全滅してる。無事なやつを数えたほうが早いくらいだ」
「どうしましょう…」
「俺がやるからいい。紫藤が入局する前はほとんど俺がやっていたから」
「お願いします」
実継は連絡と宵の注射の用意のためにステーションへと帰った
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