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暇ぁ

雅宗は自分のベッドの上で暇をもてあましてゴロゴロと転がっていた。 「うー…暇ぁ…つまらん。背中痛いし、ちん痛いし…おもんなぁ」 コンコン… 「はーい、誰や?痛いことする気なら帰ってやぁ」 「違うよ、雅宗」 「あー!しー先輩や。どうしたん?」 「ちょっと顔を見にきた。どう?調子」 「暇ぁ」 「暇かぁ。本でも読む?」 「眠なるわ。夜寝れんと困るでお断り」 「じゃあ…ちょっと待ってて」 「え…」 来てそうそうにいなくなる雫を不思議に思い、首を傾げ 「何しに来てん?」 しばらく待つと雫は毛糸玉の入った袋を持ち戻ってきて 「はい、これ」 コロコロとベッドに転がし、ひとつを雅宗に手渡し 「あげる」 「なんやねん」 「毛糸玉」 「見りゃ分かるって。何に使うん?」 「転がす?」 「猫ちゃうで?転がして何がおもろいん?」 「冗談だって。指編みでもしたら?」 「えー…めんど」 「編めない?指器用だしできるでしょ?インターネットでやり方いくらでも出てくるし」 「編めんことないやろうけど…てか、どっから持ってきてん?これ」 「器材庫」 「よー、見つけたな」 「編んでよ。マフラー作って?おそろいのやつ」 「んー…分かった。暇やしええよ。それより先輩仕事は?」 「これも一応仕事だけど?」 「何かあったん?」 「え…何かって」 「ちょっとショック受けた顔してんで?」 「そりゃショックも受けるよ。インフルパニックだし」 「それだけ?」 「う…。ピンチヒッターで来た先生が怖くてさ。絶対逆らわない方がいいタイプ。怖くて逃げてきちゃった。たぶんさーちゃん今おしおきされてるよ」 「そうなんや。怖いな」 「うん。それはそうと雅宗水分摂ってる?おしっこの出てる量少ないよ」 雫は雅宗のおしっこの袋を指差し指摘した。

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