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紫藤 病院へ
救急車が到着すると紫藤はしぶしぶ救急車内に乗り込み隣に座る佐渡の肩に体重を預けた
「…こほ…っ」
「酸素モニター失礼します」
救急隊員が紫藤の指にモニターを付けると91と数字が出て
「低い…ですね。酸素投与しますね」
酸素をつけられると佐渡に甘え
「琢磨さん…」
「少し楽になる。よかったな?縁」
「…ん」
紫藤は目を閉じ、病院へ到着するのも待った。
何分も経たずに病院へと到着し、初療室で待っていた瀬谷と理央は救急隊員と協力してストレッチャーへ移し替え
「誰…ですか?」
「心療内科のナースだよ。応援に来てくれている。他科のナースの方がきみが気を使う必要がないかと思ってね」
「瀬谷理央です。よろしくお願いします、紫藤先生」
「瀬谷って…」
「瀬谷先生の養子らしい」
「養子って…謎ですが…ごほっ」
「とにかく用事は理央に言いつけてくれていいからとりあえず点滴をしてしまおうか」
瀬谷はストレッチャーに棒を立て点滴の支度をすると紫藤の手を触った
「はい」
紫藤は瀬谷の手を振りはらうことなくおとなしく手を差し出し
「冷たいね、紫藤の手。手の甲にいくがいいかい?1度で入るといいが…針を刺すよ。すまない…」
「…っ〜…いっ…う〜…」
「大丈夫か?縁」
「呼ばないで……。痛いです…」
紫藤は名前で呼んでくる佐渡に釘を刺し、点滴の痛さに顔を歪めた
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