1032 / 1216

紫藤 ご乱心

暴れる紫藤に苦戦しながら2人は紫藤からジーパンをはぎ取り、東間はジーパンをたたみながら西に視線を送り 「北斗、下着どうする?」 「指示は?」 「まだ、何も。あ、瀬谷先生戻ってきた!先生、更衣しましたけど下着って…」 瀬谷と佐渡が連れだってステーション内の処置ブースに顔を見せると東間は尋ね、瀬谷が口を開き 「脱がせようか」 「なっ」 瀬谷から出たその言葉に紫藤は顔をヒクつかせ 「脱がせたらそのまま膀胱留置するよ。押さえていてくれるかい?」 「え…膀胱留置?」 「咳がひどいみたいだからね。動くのはしんどいだろう。移動中に転倒してもいけないからね」 「了解です」 「い…いやっ。佐渡…っ佐渡先生…っ助けてください…っ」 佐渡は紫藤の横に付き、紫藤の額を触り起きあがりを阻止し 「紫藤、無理しない方がいい」 「やっ。やです」 「大丈夫。怖くないから」 「人前で…そんなとこをさらすなんて…っ」 「いやいや、患者たちには散々さらさせてんじゃん?なぁ、南」 「まあ、そうだね。大人だから大人しく処置されてくれるよね?」 「お断りですっっ」 「道具、用意しますね」 「頼むよ。さて、紫藤。下着を脱ぐよ」 「い…やっ…やめてっごほごほっ!ヒュー…っえほっ」 「ちょっとモニター先に付けるよ、紫藤」 瀬谷はペタペタとモニターの電極を紫藤に取り付け 「人差し指いいかい」 酸素モニター用の指センサーを指にはめると紫藤はセンサーを放り投げた

ともだちにシェアしよう!