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ようやく解放
抵抗する紫藤を佐渡はなだめ
「こらこら。体力なくなるから暴れるのやめような?」
「や…だっ!こんなの望んでいないですがっ」
「痛いかい?」
「恥ずかしいっっ」
「恥ずかしがる必要はないよ、縁。しかしさすがだね。普段子どもたちに指導しているだけある」
「え…それってどういう?」
瀬谷の言葉の意味がわからず東間は尋ね
「力の抜き方をよく分かっているねってことだよ。子どもたちもみんなこれくらい受け入れるのが上手だとお互い楽に処置できるんだけどね。よし。はい、おしまい」
瀬谷は紫藤の病衣の乱れをなおして紫藤のおしりを隠し
「さ、部屋に行って休もう。少し寝るといい。佐渡、東間と搬送いいかな?俺はちょっと周防の様子を見にいくよ」
「分かりました。東間、一緒に頼むな?」
「はい、お願いします。ゆかりん、ストレッチャー動かしますよー」
ストレッチャーのストッパーを東間は解除し、佐渡とともに部屋へと紫藤を運び部屋に着くと2人でベッドに紫藤を移し
「1、2の3」
「はい、移動完了。おつかれさまでした。佐渡先生、自分師長に用があるので失礼します」
「ああ、ありがとう。助かった」
東間がいなくなると佐渡はベッドの頭側の高さを高くし、紫藤の顔をのぞきこみ
「大丈夫か?縁」
「大丈夫…なわけないです。もう何がなんだか…穴があったら入りたい…いろいろと恥ずかしすぎます…もう寝ます」
「全部熱と咳のせいだから気にするな。おやすみ」
佐渡は紫藤が寝つくまで紫藤の頭を撫で、紫藤は佐渡の手に安心して目を閉じた。
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