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ぱっちんピン

瀬谷ファミリーを見てほっこりとあたたかな気持ちで佐渡が歩いていると雑貨屋で可愛いらしいピンク色と青色、緑色がそれぞれセットになったぱっちんピンが販売されているのを見つけた。 そういえば千歌の前髪…だいぶ伸びていたな。 周防なら理容師だか美容師の資格持ちだからカットできるはずだが今は体調不良。 まだ当分元通りの生活に戻るにはかかるだろう。 その間、千歌がコレで髪を止めたら可愛いだろうし似合う気がする。 買っていってやるか 佐渡は迷わずピンを手に取りレジへと向かい、最中おしゃれなボールペンを見つけそれも手にし、千歌にだけ買うのも未羽が可哀想な気がして未羽にはいろいろなイラストが書かれた絆創膏を選び、 ふっとやわらかな笑みを浮かべながらレジに持っていき手に取った3つを購入し可愛らしくラッピングしてもらうと自宅へと帰った。 紫藤のいない自宅はやたらと広く感じ佐渡は1人さみしく缶ビールをグラスに移して飲み晩酌をしていた。 「ふぅ…。この数ヶ月、縁がいるのが当たり前になっていたからさみしいな」 グラスを傾けながらひとりつぶやくと余計に寂しい気持ちになりテレビをつけ 「つまらん…。風呂…は、いいか」 紫藤がおらず風呂に入る気にならず佐渡は着替えだけし寝る支度をした。

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