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バトル

病棟では血糖チェックを終えて未羽に食事を摂らせようとする雫と食べたくない未羽がケンカをしていた。 「こらっ!未羽くんっ」 「やぁーっ」 「や、じゃないの。ちゃんと食べて。今日はみんなが大好きカレーなんだよ?」 「いらーなーいっ」 「牟呂さん、みぃが可哀想。いじめちゃダメだと思う」 「千歌くん、いじめと違うから。腸を休めなきゃいけない千歌くんは仕方ないけど未羽くんは食べなきゃダメ。点滴ついてるけど、これはただの水分だから。血糖の値いまはいいけど朝までもたない」 「やだっ。飲み物だけでいい!どうしてもっていうならこのヨーグルトは頑張る」 「いやいや、ちゃんとメインを食べよう?半分でいいから」 「牟呂さんしつこいっ」 「カレーは飲み物って言葉知ってる?」 「知らない!」 「あーんしたら食べれない?」 「食べれないっ。ふぇーーんっ」 「あーあー…泣き出しちゃった…弱ったなぁ」 雫は悩み、ステーションに預けられていた飴のポーチを思い出し 「未羽くん、頑張ったら佐久間先生の飴をひとつあげる」 「あめ…う…」 未羽は戸惑った。食べたくないけど飴は欲しい… しばらく考えたのちに未羽は小さく口を開け 「あ」 「え…食べてくれる?」 「うん…。でもちょっとだけ。飴、約束だよ?」 「分かった」 しぶしぶ未羽は食べ、食べた未羽を見て雫はほっとし笑みを浮かべた

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