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宵さん、消える
「さーちゃんは保護室入ってからいい子だからよしとして…雅宗のおしっこが心配なんだよなぁ…。後は…紫藤先生、今はいいけど明け方が怖い…咳出るかもだから見にいったほうがいいか…。未羽くんは寝る前に坐薬いっとくかどうか悩むなぁ。泣くよなぁ絶対。宵さんの熱も上がってこないといいけど…」
雫は食事量のカルテ入力をしながらひとりつぶやいていた。
「少し早いけど消灯見回りしちゃおうかな。時間かかりそうだし」
雫はいちばん端の由宇の部屋から順に見回りを始めた
部屋を開けると由宇はスヤスヤ寝ていて雫は思わず微笑んだ。
「気持ち良さそうに寝てる。尿の流出もいいし点滴も問題ないね。こうやって寝てると昔のまんまの由宇くんだなぁ…可愛い」
布団をかけ直し、隣の宵の部屋へ行くともぬけの殻で雫は言葉を失った
「え…ちょ、どこ行った?トイレ……?いないし…マジか…」
イヤイヤ同意書記入したって話だったし、どっかに逃げた?まさかな?仮にも師長だから脱走はしないはず…してたら大問題だって。
後で探すことにして見回りを進めるかどうするか…んー…
バタバタして寝たのを起こすのはイヤだし先に探すか。
「宵さーん。師長ーっ」
呼びかけるも反応があるはずもなく雫は考えた。
電話待機の瀬谷先生にヘルプ頼むか…どうするか…でも、親子水入らずを邪魔するのもなぁ。
あ、とりあえず紫藤先生に相談してみるか。
雫は紫藤に相談することにし、紫藤の部屋へと向かった
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