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むーちゃん、ピンチの予感
佐渡の登場と理央の経験談を聞いて落ち着きを取り戻した千歌はすっかり泣き止み笑顔を振りまいていた。
千歌のその様子に一同は安心して千歌を佐渡にたくしてステーションへと戻った。
「とりあえず…ひと段落、ですかね?あ、そういえばうっちゃんの点滴!」
「あ、やべ。忘れてた」
東間と西が慌てていると使用済みの点滴を持った祖父江がタイミングよく現れ
「それは問題ない」
「おおぅっ!?あ、祖父江先生」
「真尾の部屋からの帰りに抜いてきたから」
「ありがとうございます。さすが先生」
「話に夢中になっててナースコールを押すのを臣もうたも忘れていたらしい。まだ2人で絵を描いて遊んでるよ」
「絵?」
「うたの弟に見せるんだと。それはそうと瀬谷は?」
「あー、周防のとこに行くって言って…あ、ちょうど戻ってきましたよ」
浮かない顔をして戻ってきた瀬谷に麻弥は瀬谷の顔をのぞきこみ
「なんかあった?朱雀。顔がブルーな感じ」
麻弥の言葉に理央ものぞきこみ
「本当だ。すーさん調子悪い?」
「いや、調子は悪くない。ただ周防がな」
話しながら瀬谷は椅子に座り
「周防がどうしたんですか?」
「東間、周防のインアウトをカルテで見てみろ」
「インアウト…はい」
言われて水分摂取量と排尿量を見ると東間は顔をしかめ
「バランスがおかしいですね」
「そう。ステントが詰まったかもしれん。はぁ…っ」
瀬谷は深くため息をつき頭を抱えた
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