1061 / 1210

添い寝をねだる

叩かれる扉の音に気づき紫藤は時計を見た。 消灯見回りには少し早い気がしますが…誰でしょう? 誰が入ってくるのかが分からず紫藤は扉をにらむように見つめ、身構えた。 硬い表情をしていた紫藤だったが入ってきた人物を見てやや表情を緩めた 「紫藤先生こんばんは」 「あなたでしたか…師長」 「紫藤先生…お顔が怖いですよ?」 「来るはずのない時間に誰かが来る気配がしたら警戒もします」 「佐渡先生だったかもしれないじゃないですか?」 「は?なんでそこで佐渡先生が出てくるんです?」 「え…だって佐渡先生と紫藤先生って同じ香りが…それに佐渡先生は紫藤先生をよく気にかけている気が…」 「何を言っているんですか?師長の気のせいではないでしょうか?それよりどうしたんです?何か私にご用ですか?」 宵はひと呼吸おいて話し始めた。 「僕と一緒に寝てほしいです」 「…」 突然この人は何を言っているんでしょう?意味不明です。 なぜ私に? 「紫藤先生…お願いします。だめ?」 私よりひとまわりは年齢が上のはずなのに…幼い。 不思議です。

ともだちにシェアしよう!