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詩乃、不安
🎵〜
電話だ…電話が鳴ってる…この音は病棟だ。
でも、体が重くて出れない。
目もまだ重い…。出なきゃいけないのに昨日からの連続のえっちで体が言うことをきかない。
電話は切れた。
重たい目を開けてまわりを見ると誰もいない
「明さん?いない…」
詩乃が目覚めた時、明の姿はなかった。
お手洗いにいっている雰囲気もない。
どこに??
詩乃の急に不安に襲われて家中を探した。
「明さん。明…さん…どこ?」
しばらくすると玄関から物音がし、鍵が開くと扉から明が入ってきて詩乃は明に飛びついた。
「めーいっ」
「おっと…。どうしたの?顔色、よくないよ?」
「だって…だって明さんが…っ」
「そっか。目が覚めて俺がいなかったから不安になった?」
「うん。いなくなったと思って」
「大丈夫。心配しなくていい。せっかくまた詩乃を手に入れたのにどこかに行くわけないよ。ちょっとコンビニに。牛乳が切れててね」
「牛乳…」
「気持ち良さそうに寝ていたからあえて起こさなかったんだけど、起きるのを待ったほうがよかったね?ごめんね、詩乃」
「ううん。よかった。帰ってきて」
「ご飯にしようか?詩乃」
「うん」
明に横抱きに抱かれ詩乃はダイニングへと運ばれた。
病棟から電話が来たことなどすっかり忘れて詩乃は明と遅めの朝食を始めた。
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