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紫藤 咳発作
「ごほ…ごほごほっヒュー…っ」
明け方、紫藤はまだ眠っていたもののひどく咳き込み呼吸がままならない状態になっていた。
紫藤の咳の発作に気がついた宵は紫藤の背をさすり
「先生…ひどい咳、、可哀想に…」
「ヒュー…っゴホ!ゴホっ。ん…んぅ…」
強い咳き込みに紫藤は目を覚まし
「…ぁ…っふ…けほ…っけほ…っう…たく…ま…さっ…ん…っ苦し…っ」
「たくま?」
紫藤先生のお付き合いしている人でしょうか?
紫藤先生が寝ぼけている…めずらしい光景を見ている気がします。
やっぱり気の強そうな人でも弱っている時は、恋しい人を求めるんですね。
言ったら怒りそうですが、可愛いらしい。
朦朧としている紫藤は隣にいるのが宵とは思わず佐渡と勘違いして宵に抱きついた
「助けて…たくまさん…っ苦し…い」
「わ…せんせ…」
これは…重症ですね…。僕が誰か分かっていないんでしょうか?
発作を止めてあげないと。
宵はナースコールを掴み、雫を呼び出した。
「先生、発作。吸入薬持ってきてほしいです」
〝すぐ行きます〝
雫を待つ間、宵は紫藤の背をさすり続けた。
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