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お寝ぼけ紫藤

電話を終えた雫は吸入薬を持ち紫藤の病室へと走っていた。 やっぱり紫藤先生、予想通りだったか。 未羽くんはインフルエンザの治療薬が効いたのか夕べは少し熱が落ち着いていて坐薬の出番はなく、いまの時間もよく寝ている。 千歌くんもまだお腹の音が弱いけど、前ほどじゃない。 このまま治ってくれるといいな。 コンコン 「入ります」 「雫、ありがとう」 「え…」 紫藤先生が宵さんに抱きついている。 なんてレアな光景…。 驚く雫に気付き、宵は説明した。 「よっぽどしんどいみたいで誰かと勘違いしているみたいなんです」 「めったに見れない姿…ですよね?これ」 「ですね。雫、このことは内密に」 「そうですね。先生、吸入薬吸えます?」 吸入薬を紫藤に見せると紫藤は口を開け 「え…。弱って…ますね」 「ですよね。実は甘えん坊だったりするんでしょうか?」 「意外…です。こんな可愛いらしい姿。はい、吸ってください」 「すー」 「はい、上手です。もう1度」 「すー」 「じきによくなりますよ。まだ早いんで寝てて大丈夫です。おやすみなさい」 「ん…」 紫藤は目を閉じ、宵の肩口に頭を預けて再び寝ていった

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