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雅宗の部屋へ
紫藤の部屋から雫は雅宗の部屋へ移動した。
「雅宗まだ寝てるかな。尿量増えているといいけど…」
そっと部屋に入ると雅宗は丸まって横になりうなりながら痛がっていて、雫は駆け寄り雅宗の腰をさすった。
「んっ…んぅーっ…痛いぃ」
「むー、大丈夫?しっかり」
「しー…せんぱい…あかん、もうダメかも分からん」
「大丈夫だよ。弱気になっているだけだから。先生、呼ぼうか?」
「いやや。痛いことされるん目に見えとるやん」
「でも、そのままでいても痛いんでしょ?」
「せやけど…瀬谷先生は呼ばんといてー」
「困ったなぁ。佐渡先生ならいい?」
「佐渡先生もいややっ。注射大好きなんやもん、あの人」
「ちょっと考えさせて」
雫は数分考え、携帯を取り出し
「あ、早朝にすみません。少年棟の牟呂です。日勤の先生が来られてからでいいんですけど1人診てほしくて…はい、お願いします」
電話をする雫を見て雅宗は首を泣きそうな顔をしながら首を左右に振り
「なんで応援呼ぶん…先輩。鬼ぃ」
「放置する方が鬼だよ、雅宗。泌尿器科に日勤の先生が来たら診てくれるから。この部屋から逃げないでよ?他科の先生だからいい子にね」
「うー…分かった」
雫は雅宗に釘を刺し、ステーションへと戻った
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