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むー、逃走

「逃げるな言われてそのまま待っとるわけないやん。隠れたろ」 雅宗はそーっと部屋から抜け出し、器材庫へと向かった 「さすがに同じところに隠れとるとは思わんやろ」 雅宗は器材庫の中に隠れ、うたた寝を始めた。 そんなこととは知らない雫は、応援に来た泌尿器科医師、白鷺時雨(しらさぎしぐれ)を雅宗の部屋へと誘導していた。 「…と、いうわけでステントの閉塞が疑わしいとは思うんで、1度診ていただきたく…それにしても出勤が早くて助かります」 「後輩んとこの病棟がピンチみたいだから掛けつけないわけにはな。麻弥の話だと、手がかかる子ばかりのようだし。その子はどんな子だ」 「あー、それが…子じゃないんです。うちの職員で周防雅宗。35歳になるんですけど痛みにめちゃくちゃ弱くて…。口が悪いんでちょーっと扱いが面倒かもです」 説明しながら病室の扉を雫は開け 「ほぉ、その雅宗は透明人間か?」 「はい?」 「姿が見えん」 「なっ!逃げんなって言っておいたのにっ。すみません!白鷺先生」 「ふーん…(きゅう)でもすえてやらんといかんな。来るの分かってて逃走って…」 「本当すみませんっ。探します」 慌てる雫と苦笑する白鷺はそれぞれ雅宗を探しに向かった

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