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ケーキにつられるむーちゃん

導尿が済むと白鷺は手袋を付けかえ 「おし…カメラ挿れてくぞ」 「や…やめ…っやや!あの痛いのまたやらなあかんの?いやや」 「石、出てないんだろ?」 「出んくてももうええ。いま痛ないから!」 「はいはい。牟呂、膀胱鏡挿れるからそいつの手でも握っててやれ」 「はい。むー、手を繋いであげるから頑張れ」 「手、繋いだくらいで痛いのなんまぎれるわけあるかーいっ」 「むー、疲れちゃうよ?騒がないの」 「これが騒がずなんいられるかーっ」 「朝っぱらから元気だなぁ、本当にぎやかなやつだ」 苦笑しながら再度、消毒をされると雅宗は固まり 「お。ようやく大人しくなったか?」 「ちゃ、ちゃう。なぁなぁ、あんたさマジにやるん?」 「やる。サイズをひとつ大きくしたからきついぞ。まあ頑張れや」 「え…っなっひぎゃ…いたぁぁぁっ」 「あーし、広げろ。股、閉じんな」 「無理ぃーっ。そんなちっこい穴にそんな凶器突っ込まんといてやーっ」 「凶器じゃない。ちゃんとした治療道具だ」 「いややーっ。しーセンパイぃ」 「うんうん、痛いね。むーちゃんよく頑張れてるよ。退院したらホテルのケーキバイキング連れていってあげる」 「ほんまぁ?アレ、高いで?ええの?」 「いいよ。だから後少し頑張れ」 「うんっ」 雅宗はケーキにつられてわめきながらも続きの処置を我慢した。

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