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あとちょっと
「おまえら仲良いな?付き合い長いのか?」
「…っ…ぅ…痛い……」
「尿管内にステントを挿れていっているからな。そりゃ痛いだろうな。おしゃべり続けて気をまぎらわしな。で、交際何年だ?」
「俺が大学2年の時からなんで16、7年ってところかな」
「長いな」
「あっという間でしたよ。白鷺先生はお付き合いしている人は?」
「いるぜ。なんだかんだで30年近いツレが」
「それはまた長いですね」
「まぁな。マンネリ防止でゲイバーに行ってるからほどよい距離感で仲良くやっている」
「それってM'sですか?」
「お。知ってる?けど、遭遇したことはないよな?」
「滅多に行かないんで」
「ok。ステント留置完了。カメラ抜くぞ。で、しあげに膀胱カテーテルを挿れて終わりだ」
「むー。あとちょっとだって。頑張れ」
「うー…抜けてくとき…やな感じやで。ツーンって…。カテーテルも苦手や」
「得意なやつはあんまいないな。耐えろ。ステント留置が上手にできたから頑張れるはずだ」
「分かったで」
「んじゃ挿れてくぞ」
「あーっ痛いっ…ちん、痛いぃ」
「よしよし、痛いな。あと少しだから辛抱な」
白鷺は雅宗を励ましながらカテーテルを留置していった
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