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詩乃さん 出勤
朝の支度を久しぶりに明に手伝ってもらい、支度が済むと詩乃は明の運転で職場の病院に連れて行ってもらった。
数分のドライブの後、病院に着くとすぐに車から降りることができず詩乃は名残惜しそうに助手席から運転席の方へと身を乗り出して明に抱きつき別れを惜しんでいた。
「ねぇ明さん、帰りちゃんと迎えに来てくれますよね?」
「大丈夫だよ、心配しなくても。ちゃんと迎えに行く。約束するよ。詩乃」
「分かった。待ってます」
「うん、頑張って行っておいで。宵を頼むね」
明は詩乃を体から離し、安心させようと笑みを浮かべ、詩乃の額に口付けた
「はい。宵先輩のこと頼まれました。仕事、行ってきます」
「行ってらっしゃい」
「明さんも行ってらっしゃい」
詩乃ははにかんで笑い、明に手を振ると走って更衣室へ向かった。
更衣室へ向かうと詩乃は、自分の顔を両手でパシンと音を立てて叩き気合いを入れ
「7時40分か…。よし気持ち切り替えて行こう」
着替えを素早く済ませてマスクを装着し病棟へと詩乃は歩いて行った
病棟へたどりつくと夜勤明けの牟呂の姿が見当たらず詩乃はあたりを見回した
「リカバリーにいる様子は無いけど…何かあったかな?」
詩乃はパソコンに向かい、カルテ情報に目を通した
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