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明かされた事実
「詩乃〜」
両手を広げる宵を詩乃は優しく抱きとめて宵の背を撫で
「はいはい。先輩は抱っこが好きですね」
「うん」
「牟呂〜。今のうちに肩に注射しちゃいましょうか?」
「え…?いいんですかね?本人、納得していませんけど」
「先輩、頑固だから納得はしない気がするな。無理矢理はぼくも好きじゃないけど、やむを得ないものね」
「や、やだーっ。詩乃、離してーっ」
暴れる宵の耳元に詩乃は囁き
「せーんぱい?あんまり聞き分けができないと明お兄さんに言いつけちゃいますよ?」
「え…。あれ?僕、詩乃に明にぃの名前を詩乃に教えたことありましたっけ?お兄ちゃんがいるのは言ったことあるけど名前までは言わなかった気が…」
「うん。無いですね」
「なんで知っているの?」
「ぼくの大事な人だからです」
「へ…?」
「あの、奈南先輩って涼木くんとお付き合いしてるんじゃ…」
「そうだよ、詩乃。涼木はどうしたの?僕はてっきり涼木が詩乃の相手だと…」
「大雅は体の関係はありますけど恋人じゃないです。まだ大雅の処女をいただいていないから別れないですけどお付き合いしているのは明さんです」
「大雅の処女…ごめん、詩乃。彼はもう処女じゃないですよ?」
「え…」
「は?その話、俺も気になります!どういうことですか?」
「実継さんがいただいちゃったもの」
明かされた事実に雫と詩乃は目を点にした。
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