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我慢
青ざめてしまった宵の姿に実継は苦笑し
「えっちをしないとは言っていないだろ?そんなにショックを受けるな」
「だって…今、欲しいのに…我慢しろっていうなんて…拷問ですか?」
「時と場合を考えような?宵」
「う。はい…分かりました。我慢します」
「え、えと…先輩。約束は約束だからイかせてはあげますね?」
「もういいよ、詩乃」
「いいんですか?先輩」
「うん。我慢するから。頑張ったら褒めてくださいね」
「はい。じゃあ指を抜きますね」
「んっ…ふう…」
「ズボン履きましょう」
「うん」
身支度をする2人を雫と実継は優しい眼差しで見守った。
「あ、そうだ。祖父江先生。今日は応援で泌尿器科の白鷺先生が来てくれているんです」
「あー…のようだな。カルテを見た。朝から大変だったな」
「はい。まあでも、朝ごはんもしっかり食べてたし本人もうケロってしているんで今は大丈夫ですけどね」
2人の会話に宵は首を傾げ
「誰の話ですか?」
「雅宗ですよ、宵さん。ステントが閉塞して今朝、緊急で交換したんです」
「そんな大変なことが…」
「はい。見事な手技であっという間に終わりましたけど、叫んでわめいて大変でした」
「ふふ。彼らしいですね」
「はい」
「で、その白鷺先輩がどこにいるか分かるか?」
「瀬谷先生が今日は遅番帯の勤務だから、瀬谷先生の変わりに由宇くんのところにいるんじゃないかと…」
「そうか。分かった。雫、奈南。そろそろ申し送りだろ」
「あ。ですね。奈南先輩急ぎましょうか」
「あ、うん。宵先輩、また後でね」
「はい。行ってらっしゃい2人とも」
「宵、1人になるが大丈夫だよな?」
「大丈夫です。いい子にしてますから」
「宵さん、申し送りが終わったらすぐ戻ってきます」
「うん、待ってます」
宵は手を振り3人を送り出した
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