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目的を忘れた麻弥センセ
そっぽを向いてしまった由宇を白鷺はあたたかな目で見つめ、ふっと笑みを浮かべ
「無理せず頑張れよ?由宇」
「ええっ。時雨さん、ぼくとしては頑張らなくていいよ。と言いたい。飲み切られたらぼくつまんない」
「おいおい、麻弥。嘘でも励ましてやれよ?一応患者だぞ、そいつ。モチベーション下げさせてどうする」
「やだ。由宇くんで遊べるかがかかっているんだから」
「ったく。本当にエロいこと大好きだな麻弥は。おまえの本来の目的を果たしに行くぞ」
「…んぅ?」
「おい、麻弥…。まさかとは思うが、何をしに俺を呼びに来たのか忘れたのか?」
「えーと…なんだっけ?」
「マジに頭ん中、エロのことしか無いわけな?ちかだったか?俺の手がいるんだろ?」
「あー!そうだった。千歌ちゃん、イレウスの症状が落ち着かなくてさ。腹部膨満ひどくて苦しんでるんだよね。診てあげてほしい」
「なんで…もっと早く言わないんだっ。おまえは!」
「怒んないでよ。時雨さんこわーい」
「苦しんでるのほったらかして由宇に夢中になっているおまえが悪い」
「ほったらかしてなんかいないよ。ちゃんと理央ちゃんが付き添いしてくれているもの」
「もういい!急ぐぞ」
「はーい。由宇くん、横着してお茶の一気飲みとかしたらダメだよ?」
「分かってるし。早く行ってあげてよ。千歌が可哀想」
「また昼にな」
「じゃあね、由宇くん」
「はいはい、さようなら」
慌てて部屋から出ていく2人の背中を由宇はぶっきらぼうな態度で見送った。
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