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従順千歌ちゃん

苦悶の表情を浮かべる千歌の額に白鷺は優しく手のひらをあて 「辛いな?」 (この先生…手、おっきい…佐渡先生みたいでちょっとほっとするかも) 「うん」 「ちょっとカルテ確認するな」 「ぁ…」 白鷺の手が額から離れると千歌は名残惜しそうに声を漏らし 「んー?撫でられんの好きか?ちょっと待ってな」 「ち…ちがっ」 いったん離した手を白鷺は戻して、千歌の額を撫でながらパソコン操作をし 「辛いときは意地はらずに甘えろ。体調悪いんだから甘える権利がおまえにはある」 「う…うん」 カルテにひととおり目を通すと白鷺は千歌に繋がっている尿の管に視線を落とし 「色も量も悪くないな、よし。じゃあちょい仰向いて膝立てれるか?」 「ひざ?んー…分かった。はい」 千歌はのそのそと体を起こして仰向いて膝を立て 「膝と膝を離す」 「ん」 指示通りに足を開いた (嫌がったわりには従順だな、この子。優しく接しておいて正解のようだ) 千歌のポジションが整うと白鷺は白衣のポケットからローションボトルを取り出し キュポ… 「佐渡先生にされてる診察と一緒な?直腸診。息を吸って、吐く」 「ま…待って」 「ん?」 (まあ嫌だよな、ちょっと厳しさ出した方がいいか…?) 白鷺が悩んでいると千歌は両手を胸の前で組みゆっくりと呼吸を繰り返し 「準備できた」 恐々、白鷺を見つめ千歌は両足をベッド柵いっぱいまで広げた

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