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おしっこしたくない

表情をゆがませる未羽の顔を理央は心配そうにのぞきこみ 「歩けないかな?うん、そうだよね。お熱高いからしんどいよね?車椅子持ってこようか」 「違うよ。あのね、そうじゃなくて…」 「ん?動くの自体がつらいかな?ちょっと恥ずかしいかもしれないけどベッドでする?尿器を持ってくるよ」 未羽は麻弥の方をチラッと見ておびえてうつむき、おびえられているのに気がついた麻弥は未羽を安心させようとにっと笑い顔を作り 「ひょっとして今は出ない感じかな?また出そうになったらでいいよ。ナースコールできそう?」 「出る。出るよ。でも、おしっこするのやだ」 未羽は麻弥から視線をそらしたままお腹に手を置き、排尿を拒否した。 拒否する未羽の理由が分からず麻弥と理央は顔を見せ合せて首をひねり 「ひょっとして見られるの恥ずかしいのかな?シュガー先生」 「んー…熱がなければ自分でやれるだろうけど、熱が高いからちょっと心配なんだよね」 「慣れた看護師の方がいいですかね?」 「そうしようか。みぃちゃん、少年棟の看護師さんとならおしっこできる?」 「いやっ!おしっこすると痛いから出したくないっっ」 「え…」 「それって…時雨さーん」 麻弥は千歌のケアをする白鷺を呼び、呼ばれた白鷺は手を止めた

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