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佐久間先生だーっ
エコーの支度をした西は麻弥の方の様子をうかがい見
「佐東先生〜、未羽くんエコーするんで部屋を暗くしますねー」
「了解〜」
麻弥が返事をすると西はリカバリールームのカーテンを閉め、エコーの機械をベッド横につけエコー用のジェルボトルを白鷺に手渡し
「先生、お願いします」
「さんきゅ。じゃ、未羽。画像見るのに使うジェル塗るな?ちょっと冷たいぞ」
「ひっ…」
ジェルを腰に塗られると未羽はその冷たさにビクつき息を飲み、体を揺らし
「おっと…びっくりしたか?本当にビビリだなぁおまえ。機械を腰にあてるだけだから大丈夫だ。リラックス」
白鷺は未羽の腰元を優しく撫でながら、エコーを滑らせて診察し
「んー…石は…ないな。あー…若干左側腫れてる、未羽ぁコレ痛い?」
トントンと白鷺が未羽の左の腰を叩くと、未羽はビクッと体を跳ねさせ怒り
「いったぁぁい!痛くないなんてウソつきぃ」
「ごめんごめん」
未羽の腰を撫で白鷺がなだめているとリカバリールームの扉が開き
「みぃ、ステーションまで声が響いてんよ?何わめいてんの?」
「ふぇ?」
体をひねって扉を見ると由宇が立っていて、未羽は由宇に向かって手を伸ばし
「佐久間先生だーっ」
由宇は伸ばされた手を掴み、未羽の頭を撫で
「いい子だから白鷺先生に処置してもらおうな?」
「うん」
突如、現れた由宇に頭を撫でられて未羽ははにかみながら喜び頷いた
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