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宵さんの過去

白鷺は詩乃の放った爆弾発言のおかげで宵の気がそれているうちにキシロカインゼリーをつけたカテーテルを宵の鈴口にあてがい、すーっと垂直にカテーテルを押し進めた。 「ひぁ…っ」 体内に侵入してきたその不快感に宵はすがるように実継の手を握り、実継からそらしていた視線を戻して実継を見上げ 「さね…つぐさぁん…っ。おちんちんが痛いです」 「痛いな、宵。いい子で頑張れているよ。えらいえらい」 「も…無理ぃ〜っやぁあんっっ!」 カテーテルの角度を変えられ、たまらず大きな声を出して身をくねらせ 「あーっちょ、こら!師長さんっ。暴れちゃ駄目だって。いま、大事なとこ」 「痛いぃっ!やだぁーっっ」 宵から悲鳴があがると白鷺は手を止め 「既往に尿道狭窄はなかった…と思ったが……狭いな。師長さん、尿道狭窄って言われたことは?」 「精路(せいろ)…通過障害、、ならあります。男性不妊だったので…」 「なるほど。その時の検査がよほど苦痛だったんだろうな。だとしたら悲鳴をあげるのも納得がいく。ちなみに治療は?」 「先天性だそうでしていません。不妊が原因じゃないですが彼女とは離別していますし、排尿トラブルもないので……あの、思い出したくないことなのでこの話はもうおしまいで…」 「分かった」 白鷺と宵の会話を聞き、実継は数年前の宵の尿管結石を発症したときを思い出し 確かに挿入に苦労したな、、 やはり、狭窄が… 直接は宵に聞けなかったが不妊の原因も想像通りだったか…。 「宵…頑張れるか?」 「はい。頑張ります」 その後、カテーテルを挿入される苦痛に声をあげ涙をこぼしながらカテーテルの留置をされ、宵は検査後安静時間を夜勤明けの雫とともに過ごした。

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