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それ…使っちゃうんだ

ひやっとしたその不快な感触を感じたすぐ後、チクリと走る嫌な痛みに涼木は眉をぎゅっと寄せ歯を食いしばった (い゛ってぇ…) 「大雅、力を抜きなさい」 「む、無理」 「まさか、俺の指を食い千切るつもりなのかい?まだ、慣らしの段階なんだから楽にね。力が入りすぎると痛い思いをするよ」 「んなこと言われても…」 「んー…たとえばだが、奈南はきみを受け入れる時、どうしている?そんなふうにガチガチに固まっているのかな?」 「へ?いや、詩乃さんはガチガチになんてなってない。リラックスしてる気が、、」 「うん。じゃあ、リラックスしてみよう。はい、息を吸って〜ながーく吐く」 「は、はい。すー…はぁあ…っ」 「繰り返す。はいっ」 「すー…はー…すー…っう゛っひゃうぅっ」 涼木が呼吸を繰り返し油断していると、瀬谷は指を一気に3本に増やし、空いている左手で道具の載ったカートを自分の近くに引き寄せ 「ん〜…狭いんだよね、、いちばん小さいサイズ……だと見えにくいし触りにくいから2番目か?」 ぶつぶつとつぶやき、カートの中に陳列されたさまざまなサイズの銀色のくちばし型の道具を 手に取り、涼木は瀬谷が道具を物色する様子を尻目に見て青ざめた え…まじか。まさかのクスコ…登場かよ。産婦人科実習で見て以来かも。 それ…使っちゃうんだ、、 くそっ!そんなの使われたくないっ 昼休み、早く終われ。 涼木は心の中で毒づいたが瀬谷の耳にその声が届くはずもなく、2番目に小さなサイズのクスコが瀬谷の手に握られた。

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