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麦茶と由宇
使い終わったいちごローターを流しで洗うと、佐久間は冷蔵庫から2人分の麦茶を用意し未羽の元へと運んだ。
「ん。ノド、乾いたろ?」
「うん。ありがと。ゴクゴク」
おいしそうにノドを鳴らしてすぐに半分以上飲んだ未羽を見て佐久間はほほえみ、ポケットに手を入れあめを2つ掴むと未羽の前に差し出し
「はい。約束のやつ」
「あめ?わーい」
「1個ずつな?昼ごはん前だし、イったばっかで疲れて眠いだろうからお昼寝の後に舐めな」
「はーい。せんせ、お茶飲まないの?」
「あー…だったな」
未羽に言われてひとくち飲むと佐久間はすぐオーバーテーブルにコップを置き、続きを飲む様子のない佐久間が不思議で未羽は首をかしげ
「?。飲まないの?」
「んー…なんつーか、点滴付いてるからかノド乾いた感がないんだよな。飲まなきゃいけないのは理解できんだけどさ、なかなか手が伸びない」
「えー…なんかずるい。水分とれよって怖い顔の先生言ってたよ!」
「怖い顔ってみぃ…。本人の前で言うなよ?先生たちみんな厳しいけど、本当は優しいんだぞ」
「けど、怒るとみーんな怖いよ?佐久間先生、怒られちゃうかもー」
「あぁっ?みぃ、俺で遊ぶな!」
「きゃ。先生が怒った」
「ったく…。でも、ま。ご機嫌みたいだし、よかったよかった。あ、みぃ。おしっこ、我慢すんなよ?今度は千歌や俺みたいに24時間管つけっぱになるからさ」
「うーっ。そんなのこわーいっ。ぜぇったいイヤっ」
「はいはい。なら、麦茶たくさん飲んでおしっこを出すこった」
「先生が飲むならぼくも飲む」
「あー…そうくるか。分かった。飲む」
オーバーテーブルからコップを取ると一気に飲み干し、それを見て未羽も残りを飲み
「はい、飲んだ。じゃ、俺は自分の部屋に戻るな?」
「分かった。また来てくれる?」
「うん」
「へへ。またね?先生」
「ん。またな?」
佐久間はさっとコップを2つ洗い、作業場に置くと手を振りリカバリールームから出ていった
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