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おびえる由宇

麻弥が由宇の元にたどりつくと、救急カートとモニターの機械が部屋内に設置されていて 汚染場所から離れた位置に移動されたベッドに由宇は寝かせられていた。 麻弥が来るなり、目を潤ませ泣きそうな表情になった由宇を見て麻弥は苦笑し 「そんな顔しないの。弱ってる子をいじめたりしないから。看護師さん、バイタルは?」 麻弥に呼ばれた奈南は麻弥に報告をした。 「目撃した周防によると頭部は打っていないそうなのでベッドに移しました。再嘔吐はなし。KT ()7.2 BP (血圧) 80/50 P()105 spo2(酸素) 95 モニター装着しますがいいですか?佐東先生」 由宇の状態をひと通り確認すると麻弥は頷き 「うーん、待って。spo2の値がいやらしいな…。彼、誤嚥性肺炎の既往(きおう)あったよね?レントゲン依頼して、撮影終わったらモニター付けようか。 後、採血オーダー至急で出すよ。ぼく、聴診したいから頼むね。あー、でも脱水強くて血管細くなってると思う。やれる?後、点滴もれてるね。刺しなおさないと」 「大雅!採血お願い。ぼくはいったん残りの後始末するから。周防はここまでありがとう。きみはまだ療養が必要だから休んでいていいよ」 「え、せやけど…」 「邪魔になる」 「し、詩乃さ…奈南先輩、そこまで言わなくても…」 「事実だよ。落ち着いたら慰めに来てあげてくれるかな?周防。 涼木っ採血いける?いけるなら採血の支度してください!涼木がいけないならぼくがやります」 「ごめん。了解。準備します」 それぞれ動きだしたのを見、周防は由宇の顔を心配そうにのぞきこみ 「わ、分かりました。あ、あの…みんな、由宇くんを頼んます。由宇くん、ええな?イヤイヤせんと治療受けるんやで?」 由宇の頷きを見て周防は自室へと戻っていき、麻弥は由宇の額にデコピンを食らわし 「あぅっ…」 「発語はあるね。このおバカさん。もれてる点滴抜いて、胸の音聞くよ。」 (こ…怖〜っ。いじめないって言ったじゃんか!うそつき) 由宇は麻弥から感じる冷たい空気感におびえ、体を震わせた

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