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おびえる由宇 2

震える由宇を見て、麻弥は由宇の手を触り 「寒い?」 「ち…ちが…や……っ、こ…来ないで」 (あー…察し) 「分かった。ぼくが怖いわけね?安心していいよ。みんなのパパがじきに来るから。とりあえず漏れた点滴は外すよ」 「やっ…」 「こーら。イヤイヤしないの。ってきみの看護師さんが言ってたよね?針を抜くだけだから怖くないよ」 (それが痛いんじゃんっっ) 「う〜……」 由宇が針を抜く麻弥に気を取られていると、涼木はさっさと反対側の腕を消毒し羽のついた針を構え由宇に刺し 「はぅっ」 驚いて反対側を見ると涼木に血を採られていて由宇は涙をにじませ 「た…いがさんっやぁ」 「あー、泣いちゃう?ごめんね、由宇くん。でも、不意打ちじゃないと採らしてくれないよね?血ぃ、ちゃんと採れてるから動かないで」 「臣に…言いつけてやる」 「え?そうくる?怒るとアイツ怖いんだけど」 2人の会話に親密さを感じた麻弥は表情を柔らかくし、由宇の胸に聴診器をあて 「きみたちお友達なの?さっき主任ナースくんも名前で呼んでいたよね?」 「えーと…少年棟スタッフみんな仲良し、みたいな?ね?奈南先輩」 「ですね。極力気をつけてますけど、たまに素が出ちゃいますね」 「ふーん…。あ、でもぼくも理央ちゃんは理央ちゃんって言ってるかも。職場のみんなが仲良いのはいいよね」 麻弥は話しながら由宇を聴診し、PHSを取り再び瀬谷に繋ぎ 「あのね佐久間センセこれからレントゲン行くからレントゲン室で待ち合わせよっか?」 〝レントゲン…。肺音(かんば)しくないのか…。分かりました。引き継ぎももう終わるんで向かいます〝 「ちなみになんとかなりそうなの?そっち」 〝俺を怖がる子だからむしろ、実継に交代で順調に進みます。すでにもう実継を見てニコニコですし、元々実継の患者ですから〝 「あ、そうなの?むくわれないね?きみ」 〝はは。ですね。由宇は懐いてくれているんでお任せください〝 「頼むよ。彼、今にも泣きそうだから」 にらむように麻弥を見上げる由宇を見ながら麻弥は再び苦笑いを浮かべ電話を切った。

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