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心配するシュガー先生
麻弥は電話を終えると、奈南と涼木をそれぞれ呼び
「主任さん?後処理中にごめんだけど真尾師長に報告お願いしていいかな?それと、涼木くんって言ったっけ?レントゲン付き添い頼める?」
「はい、伝えに行きます。それと、搬送 助っ人呼びますね」
奈南が胸ポケットからPHSを取り出すと麻弥は奈南の手首をそっと触り
「人なら目の前にいるでしょ?」
「え、えと…それって」
「佐東先生、もしかして搬送手伝ってくれる感じですか?」
「そ。ぼくもレントゲン室に行くのにわざわざスタッフを呼ぶ必要ないよ。さ、行こ?ベッド動くからねー」
奈南がためらっているのを気にもとめず、麻弥はベッドのストッパーを外し、由宇の頭側につきベッドを動かし始めた。
「あ、あの…先生にそんなことさせちゃ申し訳が…っ」
「遠慮はなしだよ。ほら、涼木くん!足側について先導してほしいな」
「あ、はい!ありがとうございます。じゃ、先輩行ってきます」
「あ、うん。佐東先生すみませんがよろしくお願いします」
奈南に見送られ、搬送を始めるとムスっとした表情を浮かべ無言で天井を見つめる由宇を麻弥は心配した。
んー…なんだろ。何もしていないのに泣きかけているし、吸引が必要な状況になったら大泣きしたりして?
朱雀くんいわく泣き虫らしいし、いったん彼が医師ってことは考えないであたたかくて甘い対応が必要かな?
今後、メンタル的なケアが必要になるかもしんない。
後で、当時のカルテ見直そう
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