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甘えん坊の日〝由宇 27歳編〝

両手を伸ばしてハグを求める由宇を愛おしく感じ、瀬谷は由宇のその手を取り抱きおこすと、由宇が求める通りに由宇の体をきつく抱きしめた。 「よしよし。今日は甘えん坊の日かい?本当は頑張った後にするものだけど、今日は先にしてあげよう」 「ん。ちがう…そんな日じゃ」 由宇は望み通りにしてもらえて嬉しさを感じたが、同時に恥ずかしさも感じごまかした。 しかし、これで離されると切なくも感じ由宇は慌てて 「あ、あ…っけど、ぎゅっとはしてほしい。えほっ…ぜろ」 言葉を付け加え、焦ったためにむせて咳こんだ 咳こむ由宇の背を瀬谷は優しい撫で 「苦しいね、由宇。ゴロついているのが聞こえる」 「だめっ。吸わないから!」 「おやおや?じゃあぎゅっとタイムはお終いでいいかい?」 瀬谷の力が緩んで距離をとろうとされると、由宇はうろたえて瀬谷にしがみつきイヤイヤと首を振り 「え…や、やだよっ。がんばる…がんばるからさ。離れていかないでよ、瀬谷せんせ」 「よし。よく頑張るって言ったね?由宇。涼木、サクション用意いいかい?」 「はい。用意OKです」 にっこり微笑む瀬谷と準備万端の涼木を見た由宇はゴクンとツバを飲み込んだ

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