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やさしい涼木 〝由宇 27歳編〝

「え…うそっ。由宇くんてば過呼吸おこしてるの?!なんでっ。ひょっとしてぼくのせいっ?朱雀くん、彼ってこれまでに発作おこしたことあった?技師さんなんでもいいから袋をっ」 「わかりました。用意します」 パタパタと技師が動き出すと瀬谷は口を開き 「なかった…と思いますが…。由宇、落ち着いて。大丈夫だから」 瀬谷は由宇の側に寄り由宇の額を撫で、瀬谷に撫でられると由宇は余計に苦しがり 「…っはっ…は…っ、息が…っ」 由宇の様子に涼木は思うところがあり、瀬谷の手を触り首を横に振り 「瀬谷先生、その…今はちょっと、、先生に優しくされんの辛いかもです。俺、横についているんで控え室にいいですか?後、佐東先生も」 「え…う、うん。えと…なんかごめんね?朱雀くん行こうか」 「はい。涼木、由宇を頼む」 「はい」 瀬谷と麻弥の2人が控え室に入ると、技師が袋を持ち走り寄り 「待たせました!ビニール袋ですけどこれを…」 「ありがとうございます」 涼木が由宇に近づくと由宇は手を伸ばして涼木の白衣の裾を掴み、潤む目で涼木を見つめ 「うん。苦しいよな?ほら、由宇。こん中に息を吐いて。吸ってー吐いてー」 ビニール袋で由宇の顔を覆うと優しい口調で涼木は由宇の呼吸をサポートし 「すー……はー、、」 「よしよし、上手」 技師は涼木の肩をトントンと叩き 「看護師さん、付き添いされます?プロテクターを…」 「はい。彼の呼吸が落ち着いたらで」 涼木は由宇の呼吸が落ち着くまで、由宇の頭を撫でサポートを続けた。

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